食事をかき込むように食べてしまう利用者さんの3つの支援方法

障害者施設で食事をしているとき、こんな場面に遭遇することはありませんか?

食事を出した瞬間にかき込むように食べてしまう利用者さん。

食事中にムセてスタッフが止めても振りほどき食べ続けてしまう利用者さん。

食欲が旺盛な利用者さんに「ゆっくり食べてください」と声を掛けても見向きもせずに食べ続けて詰まりそうになり「ヒヤッ」とする場面は多いですようね。

このような、ゆっくり食べるように促しても難しい利用者さんの支援に困っているスタッフは多いはず。これから、食事が早くなる理由と支援方法を3つ紹介していきたいと思います。

1. 食欲が強い場合

 食欲が強い利用者さんは、早く食べたいという気持ちが強くなりすぎて、自分でコントロールすることが難しく、かき込むように食べてしまうことが多いです。そこで、ゆっくり味あう習慣を獲得するために、食事を小分けにします。やり方は、利用者さんが苦痛にならない間隔で、わんこそば方式で行います。また、食事前に飴を舐めてもらい、血糖値を上げることで、少し空腹を満たすことができます。

2. 食事をよく噛まない場合

 噛む習慣がないため、丸呑み状態になってしまうことがあります。そのため、食事を少しずつ提供して利用者さんの前で、噛む動作をして真似てもらいます。少しずつ噛めるようになってきたなと思ったら、食事量を増やし、利用者さんの目の前に鏡を置き、噛む動作を確認しながら食事をしてもらいます。

3. 気持ちの空虚感を食事で満たしている場合

 どうしても食事に問題があると、その場面だけを考えて支援してしまいます。しかし、食事は食欲というだけあって、他に満たされない物を食事で補おうとして、かき込むように食べて繋がってしまうことがあります。食事の場面で支援をしても、変化がみられない時は、生活面を見直すのもいいかもしれません。

大きく3つに分けて支援方法を書いてみました。これらの支援方法は、一人ひとりに寄り添って支援をするので、「現場は大変だから、そんな時間はない!」と思うかもしれません。確かに一時的には、時間を要するかもしれませんが、必ず少しずつ利用者さんは良い方向に変化しますし、職員のモチベーションや時間の余裕にも繋がります。このような場面に遭遇したら、一度試してみてください。